ラグビーを5年ぶり再開

 65歳から5年間、ジムで筋トレや水泳で体の不備なところを修正し、走っても膝の痛みは感じなくなったので、ラグビーを再開しようと思っていたところ、タッチラグビーのチームが結成されているとのことで参加しました。


 昔のベテランチームのメンバーは数人コーチとして子供達の面倒を見ており、Aチームのキャプテンやコーチは私がコーチをしていた頃のカデテスのメンバーでした。


 一緒にプレーをしてびっくりしたのですが、ほとんどがパスも満足にできない初めてラグビーをする人たちでした。コーチがベテランチームで一緒にプレーをしていたウイングのフランス人で、足は早いのですが、タックルができない選手でした。ぶつかるのが嫌いなプレイヤーはタッチラグビーに向いています。


 多くはラグビーを本格的にするのは初めてで、30−40歳ぐらいの男性が5−6人、30歳前後の女性が4−5人、中学生や小学生の子供もいます。ラグビー経験者かどうかはパスを見ただけでもわかります。パスを受ける時や、パスをする時に立ち止まってしまいます。

 普通のラグビーではなく、タッチラグビーをしたいというので、ぶつかり合いは苦手ですが、足はそれなりに早く、体はがっちりした人もいます。


 ぶつかることの好きなFWの選手には物足りないようです。一度ベテランチームのキャプテンだったカールが練習に参加したことがあります。カールはFWのロックやフランカーの選手で90キロ以上あり、ぶつかるのが好きな選手です。もちろん練習でタッチラグビーは何度も経験しているのでルールも知っています。


 準備運動などが終わり、ターチラグビーが始まって、たまたまカールが私の前に立ちました。5分ほど経ってカールが初めてボールを持つことになり、私は相手がカールなので思い切り飛び出し、受けた瞬間にタッチしようとしたら、カールはタッチラグビーであることを忘れて、いきなり姿勢を低くして私にぶつかってきました。


 私はこのようなぶつかり合いには慣れているので当たる瞬間に、体を半分ずらして正面からの衝撃を避けましたが、周囲にはカールの体が私の体に食い込んだみたいに見えたようです。

 カールはボールを持った瞬間にタッチラグビーであることを忘れ、私がトップスピードでタッチに来たので、本能的に低い姿勢になってぶつかりに来たみたいで、すぐ気がついて謝っていました。

 

 ラグビーのぶつかり合いを間近で見た他の選手はその迫力にびっくりしたみたいです。それ以後誰もカールの前には立たないので、私がカールの前に立つことになりました。

 

 カールはやはりぶつかり合いのないラグビーは面白くないのか、この練習が最初で最後でした。