星名理論と岡理論 11  星名理論のディフェンスへの応用

星名理論のディフェンスへの応用

 体重の軽い自分はセンターで相手がトップスピードで走ってくれば、待ってタックルをするのが苦手である。そのために相手がトップスピードになる前に相手以上のスピードでタックルをすることを心がけた。

 当時(多分今でも)タックルラインをアタックする側が決めると言う発想の選手はいなくて、ほとんどの選手はタックルラインを無意識に意識してスタートしているので、私がディフェンスで想定できるタックルポイントへ、最短距離をトップスピードで走っていくと、少しスピードを殺して受けるポイントを後ろにするか、もしくは横へはずそうとした。

飛び出すディフェンス1

 そのため私より大きな相手にも当り負けすることもなく、また相手が前に走ってこないのでタックルラインを相手側に押し込む事になり、もしタックルをはずされたとしても、次のカバーディフェンスが前に走りながらのタックルが可能である。

 当時デイフェンスラインは横一線に揃えて出るのが常識だったが、私はあえて常識を無視し、直線的にまっすぐに想定できるタックルポイントへ全力で飛び出した。この私の無茶苦茶な飛び出しは相手にプレッシャーとなり、相手のアタックは通常より、前に出るのを抑える結果となった。

 その結果、味方のフォワードは前に走ることが可能になった。
 バックスの最も重要な役割は味方のフォワードを前に走らせることである。
 スクラムラインアウト、ラックなど最前列で味方にボールを提供したフォワードはボールが後ろにパスをされて進むので、自分自身では前に向かって走ることはできない。