ビザ取得の前にロングステイを

 60歳過ぎるとセカンドライフをどのようにするか考える様になると思います。都会から田舎へ、日本から海外へ、今までの生活と全く違う生活をするのも一つの選択です。

私はスペインでの生活を選びましたので、海外、特にスペインでのセカンドライフを考えている方には私の経験が役に立つかもしれません。


 海外に生活基盤を移し、長期間住むと言う事であれば、当然ですがビザの取得が必要になります。

手に職があり、海外の企業から働く事を求められるのであれば比較的簡単ですが、そうでない場合は結構難しいようです。

まず、どのようなセカンドライフを本当にしたいのか具体的によく考えてみる事です。


 今までほとんど都会で忙しく働いてきた人が、これからはのんびりとしたいと言うことでいきなり田舎に住んだら毎日が退屈で仕方がないかも知れません。 忙しく働いている間はのんびりとした生活に憧れるかもしれませんが、それが本当に自分の望んでいるものか良く考える必要があると思います。 


 しかし、都会に住もうとすると、家賃や物価は高いし、自然も少なくて住む環境はあまり良くないかもしれません。本当にのんびりと余生を魚釣りや菜園をしてのんびりと過ごしたいという人なら田舎に生活の基盤を置くほうが良いでしょう。


 海外に住む場合も同じ事が言えます。スペインを例にとるとマドリッドバルセロナのような都会に住みたいのか、それとも地中海に面した小さな村を選ぶのか、一度自分のライフスタイルに合わせて具体的に落とし込んでみる事です。3ヶ月以内であればビザなしで滞在が可能なので、ロングステイで実際にその土地での生活を体験してみる事です。そして地元の人たちとの交流が可能かどうか試してみる事です。


 スペインでは英語があまり通じない地域が多いのでのでスペイン語が話せないと地元に溶け込むのに時間がかかります。しかし、基本的にはスペイン人は大らかで親切で、日本人には好意的です。

前向きにどんどん話す機会を作り、コミュニケーションに心がければ溶け込む事は可能です。


 滞在地の一般的なアドバイスとしては現在日本からスペインへの直行便はないので、フランス、イタリア、ドイツなどの空港から一度の乗換えで行ける都市から1時間ぐらいで行けるリゾート地がお勧めです。リゾート地であれば長期滞在用の家具付マンションも多く、またそれを斡旋している不動産屋も駅周辺、メインストリートに数多くあり英語も通じる所が多いようです。


 私達は東京に住んでいたので小さい街に憧れていたものの、都会の良さは十分分かっていたので、実際にはバルセロナに一度住み、それからバルセロナから30キロほど離れたリゾート地シッチェスを選びました。バルセロナのような都会には人が多すぎて、地元に溶け込む等ほとんど不可能でしたが、人口2万5千人ほどのシッチェスでは顔見知りも多くなり、今では街を歩くと多くの人に声をかけられ、この街で生まれ育ったのではないかと思えるほどです。