初めての練習に参加する

 ベテランチームのキャプテン、カールと連絡を取り合い、2005年12月の初め、ラグビーの練習に初めて参加しました。ベテランの練習は7時半から、若手のは8時半から始まるとの事だったので、着替えやウォーミングアップもあると思い、早めに6時半頃にグランドに行きました。グランドではちびっ子達のラグビースクールが行われており、私の同年輩の人も結構更衣室の前で談笑していました。体もあまり大きくない人もおり、この人たちと一緒であれば、何とか楽しめるかなと思っていました。


 7時半頃になり、キャプテンのカールが現れて、挨拶をして一緒に更衣室に入りました。イギリス人のカールは非常に若く非常にがっちりしており、どう見ても40歳前でした。更衣室には既に20人ぐらいいましたが、皆若く30歳代かと思える人ばかりで、もう若手が来て着替えているのだと思っていました。着替えて外に出ると、私と同年輩の人は子供の親や迎えに来ている人で皆帰って行きました。

キャプテン カール

 サングラスをしているのがキャプテンのカール


 カールにベテランチームは何歳からかと聞くと、なんと35歳以上との事です。もっと年寄りのチームはないのかと聞くと、上限はないので、みんな一緒にやっているとの事です。

 カールがボールを持って来て、私にパスをしたので、パスを返したら、なんとボールがくるくると回転して、まるで初心者が投げるようなパスになってしまいました。最近のボールはゴム製で滑らない様に小さな丸い突起があり、それが引っかかりすぎて回転してしまいました。このようなボールに触るのは初めての事です。

 それを見てカールがラグビーの経験を聞いて来たので、高校、大学、社会人のクラブチームでポジションはバックスのセンターをしていたと言ったのですが、どうやら初心者だと思ったみたいで、パスの仕方をいろいろ教えてくれました。


 カールが私を初心者だと思ったのは無理もありません。私のその時の服装はひどいものでした。

12月のシッチェスの夜は非常に冷え込み、寒いのが苦手な私は下にはちゃんとしたラグビーのショートパンツ、ラグビーのジャージを着ていたのですが、体が温まるまではと思い、上はトレパン、ユニクロのコットンの長袖シャツを2枚重ねで全くラグビーとは関係ない格好でした。

カールのかけ声でベテランチームがグランドの周囲をゆっくりと走り始めました。


 私のスペインに来て初めてのラグビーが始まりました。