カデテスの選手たち

 2006年9月、クラブあげてのリクルートが功を奏し、良い選手も何人か入ってきました。この年の6月のビーチラグビーでのシニアの優勝がリクルートに役立ったようです。

 

 巨漢120キロのアントニオはこのとき初めてラグビーを知ったようです。驚いたのは巨漢の割には瞬発力がある事です。それと真面目な事です。練習を休む事がありません。まだスタミナがないので、練習の後半はバテて歩いているような場面が多いですが、どんどん成長していきました。


 新しく入って来た選手は全員ラグビーの事はいままで何も知らなかったようですが、それまでにメンバーだった選手は小さい時からラグビーをやっていた子もいます。アイルランド人のトムは素晴らしいラグビーのセンスをしていました。身長はもう180センチはあり、体もしっかりしています。だた練習態度はあまり良くありません。これは彼にとって、全くラグビーを知らない、体も出来ていない同じ年の子供と一緒の練習はつまらないのだと思います。

 コーチ陣の指導に対してもあまり納得していないようで、反抗はしないものの、素直に聞き入れる態度ではありませんでした。パスはバスケットのようなパスをしたり、そのパスをキャッチできなかった選手を怒鳴ったり、一見問題児のように見える所がありました。私には周囲の選手の物足りなさに歯がゆくてイライラしている様に見えました。カデテスの練習が終わると彼は一人でゴールキックの練習をしています。その距離と正確さはもうシニアの選手を上回っています。

 その他の注目選手はオトとホセ。オトはフルバックの選手ですが、人をかわすのは天性の物を持っています。体もガッチリして足も速く、本人も二人か三人まではかわす自信を持っているようです。

 ビックリしたのがホセ、皆より2歳下にもかかわらず、フォワードの中心選手です。下のクラスの練習を終えてからカデテスの練習に参加するので、いつも途中からの参加です。まだ体はそんなに大きくありませんが、素晴らしいプレーをします。性格は大人しく無口で黙々とプレーをしています。いろいろな選手を抱えながら他のチームとの練習試合が始まりました。