アンチエイジングには目標を持って

 男が仕事を辞めると急に老け込むと言う話を良く聞きます。会社ではそれなりのポジションにいて部下や友人を持ち、社会に貢献していると言う自負が、仕事を辞めると急にすべてが無くなった様に感じ、家庭での自分の居場所さえ見つけ出せないと思える時があるようです。

 日本では働いている会社や所属している組織がその人の持っている人間性よりも重要だと勘違いしているようです。


 私は60歳前に母の死を契機に老後を海外で過ごそうと決め、あたふたとスペインにやってきました。スペインには私も家内もそれぞれ一度来た事があるだけで、それほど土地勘がある訳でもないし友人がいた訳でもなく、犬連れで入国が簡単だったのがスペインだったからです。

母とルディに導かれてスペインに来たような気がするのはそのためです。


 仕事はしていないので当然時間があります。私は好きなラグビーを楽しみたいと思い、まずラグビーを楽しめる体作りを始めました。自分では気づきませんでしたが、ラグビーをやめて20年あまり、時々思い出した様にフィットネスを続けたものの、長期間本格的に続けたものではないので、体は想像以上に衰えていました。軽いジョギングでさえ足を痛めるような状況でした。


 以前はフィットネスを始めたら数ヶ月は続ける事は出来るのですが、一度仕事が忙しいサイクルに入るともう続ける事が出来ず、中断期間は1年2年となってしまい、また少しゆとりが出来ると再開するとい繰り返しでした。

しかし今度は時間が十分にありました。 勿論旅行や病気等で中断はありましたが、以前とは逆でフィットネスを継続している期間が長く、中断しているのが短期間でした。


 そして6年以上経った2011年9月は相当体は若返ったような感じていました。そして振り返ってみると、あの20年間に何度か繰り返したフィットネスを継続した数ヶ月は無駄ではなかったと感じています。人間の体は正直です。長い間かけて衰えた体は作り直すのに時間がかかります。


 私の目標である若返りは、単にラグビーのゲームが出来る体を作ると言う事ではありません。自分の納得できるプレーを出来る体にする事です。ラグビーのゲームを楽しみ、トライをするなどの目標であれば、それはもう達成しています。現在膝にトラブルを抱え走る事は出来ませんが、フィットネスは続けています。そのため年々若返っていく様に感じています。


 若返りに必要なのは体の刺激のだけではなく、脳の刺激も必要です。幸いスペインに住む事でスペイン語の勉強が必須となりました。もう記憶力はどんどん落ち込んでいっているとは思うのですが、それでも徐々にスペイン語の勉強も進んでいます。また地元に溶け込むためにはその地域の歴史や地域特性等も勉強する事が必要です。海外で生活すると言う事は脳の刺激には最適の環境と言えるでしょう。


 リタイアメントライフを始められる方はその十分な時間を有効に使い、もっともっと若返って残りの人生を楽しんでもらいたいと思っています。