超悪質な癌、肥満細胞腫

 肥満細胞腫は名前に肥満とついていますが、体の肥満とは関係がありません。しかし非常に悪質な癌で、完治する例は非常にわずかとのことです。 肥満細胞腫は他の癌とは違い、一度大きくなったものがまた小さくなってしまうものが多く、注射針での検査ではなかなか見つかりません。そのため、一度は異常に気づいても直ぐ小さくなるので、そのまま、放置され、転移の速度も速いので、手遅れになる場合が多いとのことです。

 通常患部より3センチ立方削除しなければ安全とはいえないとのことでしたが、場所が場所だけに表皮の部分だけ3センチ平方取り除くことになりました。

 切り取った部分の精密検査、骨髄液の検査、血液検査、超音波検査など、全てで現在のところ転移の可能性はないとのことですが、転移が早く、転移の場合、数ヶ月の命ということもあり、抗癌剤での治療を開始しました。


 抗癌剤は日本ではまだ未承認のロムスティンを20ミリグラム、ダコルティンを12.5ミリグラムを投与しました。

 抗癌剤の治療は人間と同じ抗癌剤を使うようですが、体重が5キロちょっとのルディには特別に調合しなければならず、ロムスティンの調合には危険が伴うので、シッチェスにはそのような薬局もないので、バルセロナの薬局から取り寄せてくれました。


 ルディに与えるに当たってもゴム手袋をつけて与え、そのゴム手袋はすぐ捨てるように指示され、このような危険なものを飲ませて大丈夫なのか心配になりましたが、病院の先生がアメリカのオハイオ州の犬の癌の第一人者に連絡を取り、ルディの件で相談してくれながらの処置なので信用しています。


 ここスペインでは抗癌剤の治療もあまりされていないようで、この病院でも初めてのケースで、日本と比べはるかに犬権が認められているのと比べ意外でした。

 犬のQOL(生活の質)を重視して、癌の治療で苦しませるよりも、残り少ない生活を楽しませてやりたいとの意識が強いのかもしれません。


rudy&hotdog


 ルディは9歳6ヶ月と犬としてもう結構な歳になるのですが、まだ非常に元気で、縫合したところも直ぐなおり、再手術が可能になりました。

 これからの抗癌剤治療のため、体力をつけさせようと、カルパッチョ(牛生肉)、ヤギのチーズなど食べさせているのですごい食欲を見せており、今日で投与を始めて3日目になるのですが、嘔吐など副作用も見られず、いつもどおりの生活を送っています。


 今後どのような展開になるのか分かりませんが、私は物事を全て良い方に取るようにしています。

 今回のルディの前立腺肥大は私達にとっては非常にラッキーだったと思っています。少し時期がずれていたら、手術はもう一回余計に行わなければならず、また、ペニスの表皮のしこりも気づくのが遅れて癌の転移がもっと進んでいたかもしれません。

 シッチェスの病院は徒歩15分くらいで毎日の散歩や買い物の途中によることが出来るし、日本と比べこのカラッとした気候はルディの回復に大きく貢献してくれています。