ドクター・ラモンとラグビーW杯の映画「インビクタス」
シッチェスには1軒だけ映画館がありますが、映画祭のとき以外満員になる事はあまりないようです。でも一度だけ満員と言う時がありました。
ネルソンマンデラとラグビーワールドカップの映画「Invictus」のプレミア試写会が行われた時です。
2010年1月28日、スペインでは29日から封切りと言う1日前に、原作者のJhon Carlinとシッチェスラグビークラブの副会長(医者)のラモンが知り合いと言うことで公開前にシッチェスラグビークラブの人が招待され、映画館はラグビー関係者だけで満員でした。
ラグビー関係者だけで映画館で見るこの映画は和気藹々として見所では観客席から拍手や歓声が起きるなど、非常に楽しく見ることが出来ました。
ラモンは外科医で、ベテランチームのメンバーです。年齢は40過ぎだと思いますが、まだBチームでもゲームをしています。チームドクターですのでほぼ土曜、日曜等全試合に同行しています。勿論無給でそれどころか車で選手を送り迎えまでしています。
左から2番目からラモン、フィリップ、カール、
彼のスタミナと精神力などには驚かされますが、それよりすごいのはそのラグビーに対する思い入れと、人間性です。シッチェスでは毎年6月にビーチラグビーが行われ、ベテランチームも出場しています。
彼は自分もラグビーのゲームをしながら怪我人の治療もします。彼はFWの選手でゲームでは相当激しくぶつかったり、スクラムを組んだりしています。ところがケガ人が出るとマイクで呼び出されゲームから外れて怪我人の治療に当たります。
彼は手術道具を持って来ていて、ラグビーの怪我で良くある裂傷など針で縫ったりしています。ビーチの横のテントの中で目の上の辺りの裂傷で血を流している泥だらけ選手を同じ様な泥だらけのラグビーのジャージを着た人がそこを縫っている光景は普通の人が見たらビックリします。そして治療が終わるとラモンはまたラグビーのゲームに参加します。
ラモンはラグビーの選手としても素晴らしいセンスを持っています。私がシッチェスで初めて試合をした時、後半に2度アタックに参加して、それが二つともトライに結びついたことを、「Yujiはすごい、2度ボールを持って、2度ともトライに結びつけた」と言って、私のプレーを見抜いたのは彼だけです。
ラモンはシッチェスラグビークラブにとって宝の様な存在です。