星名理論と岡理論 27 戦略の順序と時間配分 1

  時間によってゲーム戦略を変える。スクラムを10人で組む

 星名先生と岡先生のラグビーに対する考え方は私の生き方にまで影響を与えています。同志社大学の2年生の時、初めて星名先生の直接指導を受け、天動説から地動説のように、「タックルポイントはデイフェンス側ではなくアタックする側が決める」という、当時の常識とは正反対の考え方を教えていただいてから、私の考え方はラグビーだけでなく、仕事や生き方にまでにも影響されました。

 まずラグビーのことから入りますが、3年生の時、大学選手権で、写真の記事の最初にあるように10人スクラムを組みました。 FWは8人ですので、通常はスクラムは8人ですが、当時は人数の制限はありませんでした。 スクラム重視の岡先生はマイボールのアタックの時、センターの石塚、ウイングの西村、(いづれもFWの選手をバックスにコンバートしてきたものでスクラムのプロです)をスクラムに参加させました。

日大戦記事1
日大戦記事2
 そして戦略を二つに分け、Aアタック(バックスに回さない)Bアタック(積極的にバックスに回す)を時間帯によって使い分けるようにしました。
 
 まず試合開始直後はAアタックでスクラムは10人で組んで、すぐにはボールを出さずに押し続けて、ボールが出たらスクラムサイドを攻めるか、キックで攻める。
 15分から20分間Aアタックを続け、その後10分間ほど、通常のスクラムでBアタックにする。そしてまたAアタックに戻し、10人でスクラムを組む。

後半はAアタックから始め、15分ほどして残りはA,B,混合のCアタックにする。

 日大は強力FWが売りで、前半はリードされていましたが、後半になり、日大FWの動きが止まり、逆転勝ちしました。

 岡先生の私への指示は次のようなものでした。
 「Aアタック、Bアタックの切替の時間はお前に任せる。ただし、まずAアタックから入り、Bアタック、この順序を間違えるな。 逆だと効果が薄い。80分間の中での時間配分を考えろ。Aアタックは効果が出るのに時間がかかる。得点差は気にするな」

 この指示が仕事にどのように影響してきたかは後日書きます。