星名理論と岡理論 29  戦略の順序と時間配分 3

 ラグビーの試合に勝つためには、自分のチームの戦略的なプレーを試合時間80分間の中で、多く実践できた方が試合に勝てる確率が高くなります。

 戦略的なプレーとは何かというと、FW戦を有利に戦うプレー、FWを前に走らせる場面を多く作る、もっと具体的な表現をすれば、ゲインライン(敵と味方の分断線、スクラムで言えば双方の最前線の選手の肩のライン)を突破すると言うことです。

 何故なら、ラグビーはボールを前にパスすることはできず、アタック側のFWはボールを獲得し、それがバックスに回った時点ではオフサイドの位置にいることになり、ボールが自分たちの前に移動するまで、実質的にはプレーに参加できないからです。

 そしてその戦略的プレー(FWを前に走らせる)は試合時間80分間のできるだけ前の時間帯から多用し、FWが前に走っている時間を、相手より長時間にするということです。

 これが岡先生が私に指示した戦略の順序と時間配分です。

岡先生 少しセピア

 私は、80分間の中でどのような順序で戦略的なプレー(Aアタック)を組み立てるべきかイメージトレーニング(シミュレーション)を繰り返しました。

 私は高校に入って初めてラグビーを始めました。高校までスポーツは何もしていなかったので、15人しかいない選手の中で、ただ一人ポジションさえ決めてもらえない補欠の選手でした。私が急成長したのは毎日イメージトレーニングをしていた結果です。
 そのイメージトレーニングは主に、どのように突破するか?突破したらどのようなコースを走るかなど、戦術的なことばかりでした。
 岡先生に出会い、初めて戦略的なイメージトレーニングができるようないなりました。