ルディに付き添った7ヶ月半

ルディが思い切り私たちに甘えた7ヶ月半

 ルディは病気だった訳ではありません。人間で言うと100歳を超え、目が見えなくなり、吠えたり泣いたりしなくなり、耳もほとんど聞こえなくなっていたみたいです。匂いを嗅ぐこともできなくなり、私たちの存在を確かめるには、触ってもらうしかなくなりました。

 前年まではまだ歩くことが出来ていましたが、2013年になって急に歩く距離が短くなり、夜眠らなくなりました。

  でもまだこの頃は自分で起き上がり歩いていました。所が時々吠える様に泣いたりする様になり、だんだん毎晩泣く様になりました。最初は声が出る様になったと喜んでいたのですが,だんだん大きく泣く様になり,下のベッドルームではお隣さんの迷惑になるので,上のリビングで寝させる様にして,私も付き添って,リビングのソファベッドで寝る様にしました。

 しかし上のリビングでも泣く声が下で寝ているはるみに聞こえる様になり,大きな声で泣き出した時にはルーフテラスに連れて行く様にしました。毎晩,2−3度ルーフテラスに上がり,20−30分ほど泣き止むまで抱いて歩いていました。
月とパリッシュ教会13年
2013年5月のルーフテラスからの写真 パリッシュ教会が黒く白い海面に浮かび上がっています。

 ルーフテラスで冷たい空気に触れると不思議に泣き止みます。 泣き止んだので下に連れて降りようとするとまた泣き始めます。このような事が永眠するまで約7ヶ月半続きました。

 その間ルディに付き添えなかった日は日本に帰った2週間と,あまりに眠たいので夜をはるみに代わってもらった3日ほどだけです。

 この7ヶ月半はルディが私達夫婦に思い切り甘えた日であった様に思えます。目が見えず,鼻も効かず、耳が聞こえないルディが私達の存在を確かめるには触ってもらうしかありません。
 そのために吠えることが出来る様になった様に思います。
 目が覚めるとまず吠えて、私達に触れてもらいその存在を確かめたのだと思います。

 2013年6月10日、安楽死を決めた後、我が家に着いた途端、リナが大声で吠えまくり、意識が戻ったルディはその後、奇跡的に復活し、永眠するまで2度ほど、別れを覚悟したのに、その度に復活しました。

 2度も復活したルディの写真はこちらから