星名理論と岡理論 50 星名理論の継承

 私が星名先生に出会い、星名理論と言うべき「極端に浅いアタックライン」を教えていただいたのは大学2年生の時です。当然これは同志社のプレーとして次の世代に伝えるべきものですが、なかなか後継者が現れませんでした。

 星名先生の今までの理論とは全く真逆な、天動説から地動説に変わるようなプレーを実践できる走り方、横に走るスピードの速い選手が、その時の同志社にはいなかったのです。

 大型で縦に強い(真っ直ぐ前に走り突破する)タイプの選手が多く、私のような、痩せて体重が軽く、横に走るスピードの速い選手がいなかったので、結局私が在学中に、このプレーを伝える事ができませんでした。

 私はラグビーを始めると夢中になり、ラグビーのことばかり考えます。

 仕事ではマーケティングをやりたかったので、私がラグビーを本格的にするのを止めて、マーケティングの仕事につくのを後押ししてくれたのは星名先生でした。

 その時、ラグビーの先輩から星名先生の後押しを断るべきだとアドバイスされました。

「お前は今の同志社で、星名理論を実践できるただ一人の選手ではないか。そのお前が、ラグビーを止める手伝いを、星名先生がしてくれている。その星名先生の気持ちを考えれば、お前はラグビーの強いチームに入り、星名理論を啓蒙するべき、役割があるのでは」

 「星名理論は京大の選手もやっているし、日本代表も似たようなプレーをしています。そのうち、他のチームでもプレーするようになってくると思います。私はラグビーをやりだすと夢中になり、他のことが考えられないようになります。

 今はマーケティングの仕事をしたいので、せっかく星名先生が道をつけてくださったので、これを生涯の仕事としたいと思います」と言って、マーケティング生涯学習のテーマとすることにしました。

 でも私の予想は外れたみたいです。似たようなプレーをするチームは時折、目にするときはあるし、最近の世界のラグビーも浅いアタックラインが主流になってきたように感じますが、星名理論と似通ってはいますが、少し違うように感じました。


 このような経緯もあり、コロナ禍で家に閉じ込むるケースが多くなったので、星名先生の理論、岡先生の理論の素晴らしさを、誰もが見る事ができるように、ブログに残すことにしました。

星名先生一人