ルディに男の生き方を教えてもらう。

小さい頃のルディ

 ルディは岡山の叔母の愛犬ナナの子供です。初めて産んだ子で、もう叔母の娘の家族がもらう予定だったのですが、強引に横取りしました。お金は血統書の作成費用だけです。血統書にはチャンピオンがいくつもついていました。

母親のナナとルディ

ルディとナナ
 初めて岡山の叔母の家に引き取りに行った時、ルディが私達夫婦のところへ飛び込んできました。それまで、叔母の家族以外に抱かれたことはなかったそうです。これを見た叔母の娘の家族は「この二人なら安心できる」と言って、納得してくれたみたいです。

 私の母は長女で弟が二人、妹が二人いたので、我が家の兄と私が年上で、後の従兄弟は皆年下です。その中で私が一番頑固だったので、ルディを譲ってくれたみたいです。

 ルディが生まれて3ヶ月後ぐらいに引き取りに行ったのですが、その頃にはトイレなどのしつけは全て叔母がしてくれていたので、本当に手のかからない、すごい犬でした。

 たくさんのチャンピオンの血筋なのか、運動能力に優れ、賢いし、優しい性格でした。でも、主義主張ははっきりしていて、気に食わないことは、どんなに怒られても、無視をして、いうことは聞きませんでした。

 東京では元麻布に住んでいて、遊び場は有栖川公園の広場で、たくさんの友達と毎日遊んでいました。犬にとって、公園デビュー(初めて公園に行き、他の犬と一緒に遊ぶ)は結構緊張するそうです。ルディは全く何もなかったのですが、ある時、公園の入り口で一匹の犬に出会い、その犬が公園デビューで他の犬にいじめられ、もう犬と会うと怖がって、逃げるとのことでした。でもルディが優しく接したので、ルディとだけは遊べるとのことでした。

 ルディと一緒ならば、有栖川でも遊べるのではと、誘って一緒に行くと、その犬も他の犬と遊べるようになり、両親は大喜びでした。

 妻のはるみが1年間だけ働きに出たことがありました。はるみの家族は建築士でお父さん、弟、はるみも若い時に既に1級建築士の資格を持っており、更にアメリカに留学し、MBAも持っていたので、週4日だけという破格の条件で1年間働きに出ました。

 その間ルディは昼間一人で留守番していたのですが、朝出る時、おやつなどを用意して、ルディは玄関にブランケットを敷いて待っているのですが、吠えることもなく、おやつも食べないで、私達の顔を見てからおやつを食べると言う、信じられないほど賢い子でした。

 犬は人の7倍の速さで歳を取るので、1年と言う長さは7年と言うことになり、7年も昼間、週4日でしたが、一人で過ごしたことになるので、もう、これ以上寂しい思いはさせられないので、はるみは1年で働きに出ることをやめました。

 ルディはよほど寂しかったのか、それ以後、少し甘えた仕草をするようになりました。しかし、気に食わないことは、どんなに怒られても、無視をするということには変わりありませんでした。

 一人の男としてはルディの生き方は見習うべきだと感じました。
 犬に、生き方を教えてもらうなど、やっぱり私は大馬鹿者です。