ルディが見つけてくれたアミーゴ達 2

 ルディはケモノ

 ルディを連れてシッチェスの街の中を歩いていると、良く「ケモノ」と言われます。もちろん、スペインのことですから獣の意味ではありません。Que mono 「可愛い」と言う意味です。
 
 ある時、散歩からの帰り道、後ろから日本語で「可愛い」と言う声が聞こえました。振り返ると、金髪の女性で、瞬間的には Que mono と言ったのを、私が「可愛い」と聞き間違えたのかと思いました。
 
 マリアさんファミリーとの初めての出会いでした。マリアさんはアルゼンチン人で日系2世のダニエルさんと結婚して、日本に住んでいたこともあり、日本語も少し話せるとのことでした。
 我が家の近所に長女の真弓ちゃん、長男の光君と一緒に住んでいるとのことで、それ以後、一緒に旅行をしたり、お互いの家を訪問しあったり、まだシッチェスの生活に慣れない私達には、大変な力になってもらいました。

 マリアさん、ダニエルさんは英語も話せるし、日本語も完璧ではありませんが、スペイン語はもちろん母国語ですので、色々助けてもらいました。
 マリアさんは日本語も話せますが、日本人には誰にでも話しかけるような性格ではありません。
 ルディがいたので、「思わず」可愛いと言う言葉が出たみたいです。

 ホットドッグのおもちゃを咥えて歩くルディはシッチェスでは人気者でした。特に子供達には圧倒的な人気で、いつも午後の散歩に行く、パリッシュ協会の前の広場で、ルディと遊びたがる子供達が沢山いました。子供が投げるホットドッグのオモチャを走って取りに行き、戻ってくると投げた人の前に置くからです。多い時には10人位の子供が待っていて、列を作って順番を待っていたりします。

 ある時、時間が少しズレて、誰も子供達がいない時、女の子を連れた母親から、「ルディと一緒に遊ばしてやってくれ」と頼まれました。いつも子供達と一緒に遊んでいるルディを見て、その女の子も遊びたいのだが、他に多くの子供がいて、遊ぶことができなかったとのことです。

 もちろん、ルディは喜んで女の子と、一緒に遊んであげていました。

ルディと女の子  ルディのお陰でシッチェスの一市民として認められているようです。