星名理論と岡理論 79 主体的思考とそれを主張し発信することが重要

 星名先生に教えていただいたラグビーのルールを正しく理解すれば、「相手のディフェンスの出方に合わせて、自分のアタックの出方を合わせるのではなく、自分のアタックの出方に相手のディフェンスの出方を合わせさせることができる」と言う、主体的思考は私の生き方にまで影響を与えた様です。

 日本に住んでいて、働いていた時には、仕事の周辺にしか思いが至りませんでした。
 毎日、新聞とテレビで情報を取得し、仕事に夢中になり会社とラグビーの友人達としか話をしない私は、政治や社会情勢には無頓着でした。
 でも、スペインに来る前、17年以上前の日本は今ほどひどいとは思ってはいませんでした。
 60歳近くにスペインに移住し、日本の情報はインターネットでしか入らなくなりました。情報環境はどんどん良くなり、インターネットも高速で、パソコンや携帯電話の処理能力も上がり、今では非常に快適な通信環境のもとで生活しています。

 シッチェスでもラグビーを再開し、仕事はしていませんが、日本と同じような生活をしていました。GAFAの一つの日本支社に働いていたこともあり、英語は少しできましたが、スペイン語は全く接触したことがなかったので、勉強を始めました。
 でも無口な性格は治るわけではなく、ラグビーとルディのおかげで、この街、シッチェスで生まれ育ったかのように、多くの友人達に囲まれ、楽しくやっていました。

 自分の考えを主張した方が良いのかと思うきっかけを作ってくれたのは、岡先生の講演録「教わり、教え、教えられ」を読んだ時でした。 
 岡先生が講演会で星名先生のことを話され、その中で、私のことも話されたことを知り、マーケティングの仕事を選ぼうとした時、「お前は今の同志社で星名理論を実践できているただ一人選手ではないか。そのお前がラグビーを止めることを星名先生が後押ししてくれようとしている。その星名先生の気持ちを考えると、お前は星名先生の後押しは断り、ラグビーを続けて、星名理論を啓蒙をするべき役割があるのではないのか」と言ってくれた先輩の言葉を思い出しました。

 ちょうどその頃、OB会から同志社大学のそのシーズンのDVDを沢山送って頂き、観戦記を書くことになり、星名先生のラグビー理論をまとめて観戦記を書きました。

 そしてコロナ禍となり、引きこもりが続き、いつ死ぬかわからない様な状況になり、星名先生、岡先生の理論を誰でもが読めるようにブログに残そうと思って、色々過去の事を書いている内に自分が、どれほど星名先生と岡先生に影響されていたか、改めて知ることになりました。

 星名先生のおかげで主体的思考を持つ様になり、また岡先生のおかげで、戦略的な実践と長期的な視野を持って活動することを知った私は、もう一つ、重要な事、主張し、行動することが必要だと思います。

 スペインでインターネットで日本の情報に接すると日本の劣化がはっきりと見えてしまいます。自分の感じたことを主張し、発信することが重要だと感じました。
 多くの人が主張し、発信する様になれば、日本も少し変わるきっかけが起きるかも知れません。

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 最近気に入っているお二人の言葉です。
 岡先生の「教わり、教え、教えられ」より 
自分で考え、責任を持つ

山崎、ツイート小