ラグビーをする連中の性格 5−1

ラグビーの選手の性格を作る2個の要因

 ラグビーをする輩は私と同様で大雑把でいい加減な性格が多い様です。少し良い言葉で言い直すと、「寛容で柔軟性がある」とか「他の人の価値観と多様性を認める」とも言えるのではないかと思います。

 「ラグビーをやっている、ラグビーが好きだ」と言うだけで、国籍、性別、年齢など関係なしに信頼して、友達になってしまいます。本当に何も考えていない、単純な奴ばかりです。

  何故、この様な単純な輩になってしまうのか、自分なりに考えてみました。

 以下は私の独断と偏見によるもので、ラグビー界が認めているものではありません。

 まず、この様な性格を作る要因として私は次の二つを挙げたいと思います。

 1、ラグビーは制約の少ない自由なスポーツで、変化が常態です。

 ラグビーではボールを持っている選手に対してはルールで禁止されている危険なプレーでない限り前後、左右、どんな位置からでも、激しくタックルすることが可能です。 

 逆に、ボールを持っている選手はタッチラインの中であればボールを前にパスする以外はどんな動きをしてもかまいません。タックルを避けるために、パスをしても、キックをしても、後ろに向かって走っても、歩いても、飛び上がっても寝転がっても、手で相手を突き飛ばしても、相手にぶつかって跳ね飛ばしてもかまいません。

 楕円形のラグビーボールは地面に転がるとどこにいくか予想がつかず、1チーム15人、両チーム30人の選手が入り乱れて、ぶつかり合い、ボールを奪い合うので、チャンスがピンチに急変したり、変化が常態です。

2、ラグビーは相互に依存して、相互に影響し合います。

 ラグビーは選手相互が影響し合い、依存し合いながら一つのチームとして生き物の様に変化して行く物です。

 インサイドセンター(1CTB)が突破する場合、走るコース、パスを受けるタイミング等一つの形を持っていると、アウトサイドセンター(2CTB)はインサイドセンターが突破しに入った場合、事前にそれを予測する事が可能です。

 例えば、私の場合、下の図の様に、ディフェンスの対面の正面か内側に立った場合、ほとんどの場合、外へ抜きます。また逆に対面の外側に立った場合は内側に突破しに入ります。もちろんとっさの判断でその逆の場合も時にはありますが。

 アウトサイドセンターは私の立ち位置で次のプレーを予測することができます。

星名理論 概念図5
そうするとアウトサイドセンターはインサイドセンターが突破する事を予測し、早く顔を出す様にディフェンスラインの裏側に早めに走り込みます。
 良いタイミングで顔を出すとインサイドセンターはカバーディフェンスにタックルされる前に外側のセンターへパスをつなぐ事が出来、チャンスは大きく広がります。
 ところが突破する形を持っていなくて突破すると、アウトサイドセンターが顔を出すのが遅れ、抜いた選手はパスをする相手がいないので、パスをする事が出来ずにタックルされるまで走る事になります。
星名理論 概念図 10
 アウトサイドセンターは顔を出す事が出来て、パスを受ける事が出来てから、その次のプレーに移る訳ですが、そこでパスを受けない限り、次のプレーを経験する事は無い訳です。 そのようなゲームを繰り返しシーズンが深くなって来たら、いつまでたってもその次のプレーの精度を上げる事が出来ません。

 同じ事はインサイドセンターについても言える事です。
 自分が突破したとき、アウトサイドセンターが顔を出すのが遅れたらパスをする事が出来ず、自分でそのまま走り続け、タックルされてしまい、何処で、どのようなパスをしたら良いのかタイミングがつかめず、分からないままになってしまいます。
 この様に、この二人の選手は相互に依存し、影響し合っているので、両方が同時に機能した時に初めて更に外側の選手や他の選手につなぐプレーを体験し、その精度を増して成長して行く物です。

  ラグビーをする連中の性格 5−2に続きます、