スペインでのリタイアメントライフ

  スペインでのリタイアメントライフももう15年以上になります。いろいろトラブルもありましたが、ほぼ希望していた通りのリタイアメントライフとなっています。


 東京に住んでいた私達夫婦のリタイアメントライフの希望の所は、大都市に隣接した小さな街でした。東京で生活していて、都会生活の良い点も十分分かっている我々夫婦がいきなり田舎の小さな街での生活は不安でしたが、地元に溶け込んだ生活を送りたかったので、その点ではバルセロナは都会過ぎて、東京と同じで近所付き合いもなかなかむつかしく、その点シッチェスの様な小さな街の方が適していました。


 ミニチュアダックスフンドを連れたアジア人のカップルは非常に目立ったようで、いろいろな人が私達の事を覚えていて、話しかけてくれました。

 またラグビーをやっていた事も幸いしました。シッチェスにもラグビークラブがあり、初めての日本人(アジア人としても初めて?)を暖かく迎えてくれました。

今ではもう、この街で生まれ育ったかの様に、街を歩くといろいろな人に声をかけてもらえます。


 住んでみるとシッチェスは想像以上に楽しい所でした。気候はバルセロナより夏は涼しく、冬は逆に暖かい過ごしやすい所で、車で30分ほどでバルセロナの都会の雰囲気も楽しめます。またここまでは考えていなかったのですが、車で2時間ほどで南フランスに行ってしまう事です。

 二人とも旅行が好きなので、年に2−3回は旅行をしたいと考えていました。スペインは見る所が沢山あるので、あまり外国(スペインから)に行くというのは意識していなかったのですが、車を買ってからはフランスが近いのでフランス旅行の回数が増えました。


 リタイアメントライフですので質素が基本になっています。フランス旅行と言っても、泊まる所はレンタルマンションやギテと言う農家を改造した安い所ばかりで、自炊が出来る所です。米、調味料、お茶等我々の食生活に欠かせないものはシッチェスから持って行き、フランスでしか買えないものを中心に漁港や青空市場に行き、新鮮な旬のものを買って料理します。1週間滞在して遠出をするのは2日か3日で、後は近郊の村の朝市を巡ったり、ビーチやマリーナへ行きのんびりと過ごします。遠出をする時には昼食の弁当も作ったりします。


 犬連れの旅行は食事に苦労します。フランスはスペインと比べ、犬が入れるレストランは多いのですが、それでも気に入ったレストランを探すのが大変です。せっかく外で食事をするのであれば、雰囲気の良いレストランに入りたいのでいろいろ探しているうちに、ランチタイムが終わってしまって、結局あまり雰囲気の良くない店に入る事もよくありました。スペインはランチタイムは2時から4時ぐらいまでが普通で、フランスは12時からで2時頃にはもう閉めてしまう店も多いためです。


 シッチェスは非常に素晴らしい所です。しかし予想外の事もありました。物価がバルセロナよりも高い事です。私達のイメージでは大都会は家賃や物価も高いのでその近くの小さな町であれば家賃やその他の物価も安いのではと思っていました。しかしシッチェスは特別で家賃も物価もバルセロナより高いみたいです。もうシッチェスに住んでしまったので、また非常に気に入っているので他の土地に移る気はありませんので、元気な間は出来るだけフランスも楽しみたいと思っています。