星名理論と岡理論 16  常軌では律しがたい


信念と独立心に富み、才気があって常軌では律しがたい
 
 卒業してから知ったのですが、同志社の学生に求められたのは「信念と独立心に富み、才気があって常軌では律しがたい」ものであったようです。
 そして、私にあったのは最後の「常軌では律しがたい」だけだったようです。

   岡先生の講演録「教わり、教え、教えられ」です。

形のないのが同志社の形

 私は自分のことを普通の常識人だと思っていましたが、他の人から見るとそうではなかったようです。事ラグビーに関する限り、あらゆる常識をぶち破る、常識では考えられない事ばかりしていたようです。ラグビーを少しでも知っている人だと、私はチームプレーからも逸脱した選手だったようです。
 
 星名先生、岡先生と出会い、それはさらに増幅されたようです。例えば、基本はまっすぐ、前に向かって全力で走る、と教えられますが、試合になると私は後ろに向かって走ったり、歩いたりで、他の選手と全く違うプレーを高校の時からしていました。

 私は同志社高校で初めてラグビーを始めましたが、それまではスポーツなど全くしたことがなく、他の選手は全て同志社中学からラグビーをしていたので、全く使い物にならない、15人しか選手がいないのに、ただ一人のポジションを与えてもらえない、補欠の選手でした。
 一応バックスの選手なのですが、フォワードがスクラムの練習をするときには呼ばれて、スクラムを一緒に組んでいました。試合になると15人必要なので、体を壊して練習をしていない3年生のマネージャーが試合に出ていました。

 このような私が3月に日本選手権で優勝した同志社大学に入り、6月から既に1軍でゲームに出してもらえるほど、急成長したのはイメージトレーニングにあります。
 毎日寝る前に1時間ほど、相手をかわすにはどうしたら良いか、どのように走ったら良いか、相手の動きはどうか、などイメージで頭の中に叩き込みました。

 それを試合で実行しただけのことですが、それが普通の人には考えられないほど常識はずれのことだったようです。多分、同志社以外のチームでラグビーをしていたら、ずっと試合に出してもらえなかったと思います。

 何故、このようなプレーをしたのかは次の理由によるものです
 「ラグビーは自由と変化が基本」です。
 
 次回から「自由と変化が基本」のラグビーについて書いてみます。