星名理論と岡理論 20 ラグビーは自由と変化が基本 4

ラグビーは流動的でプレーのオプションがあまりに多様

ラグビーは自由で変化が基本 3」の続きです。

ラグビーは変化が基本
 最善、最適のプレーのオプションを選ぶ判断力は実戦で経験を積むことで高めることが一番良いのですが、ラグビーのゲームは非常に流動的であまりにもプレーのオプションが豊富なため、実戦で全く同じ様な場面に出会うことはあまりありません。

 ラグビーのプレイは相手選手と自分のチームメートに相互に依存して、相互に影響してくるからです。

 あるチームとの試合でうまく突破してうまくつなげた判断も、同じチームと次の試合で全く同じ様にプレーをしてもうまく行かない時の方が多くあります。当然相手は失敗に対して修正してくるし、自分のチームの隣の選手の動きも前回と少し違って来る可能性があります。

 それぞれのプレーヤーの動きが少し違うだけでも、実際のゲームでは全く違う場面の様に感じられます。

 私がボールを持って歩いてトライを導いたのは生涯一度だけで、あの様な場面にはそれ以前もそれ以後も一度も出会っていません。

 あの瞬間に歩くと言うオプションを選べることが出来たのはイメージトレーニングにあります。レベルが低い相手には突破すればそのままトライできます。しかしレベルの高い相手では必ずカバーディフェンスがあるので、自分でトライは出来ません。パスを次の選手につなげる必要があります。

 毎日の練習、ゲームが終わる度に自分のプレーを思い浮かべ、うまくつなげるにはどのようにすれば良かったのかイメージしていました。インサイドセンター(1CTB)で突破した場合、通常パスをつなげる相手はアウトサイドセンター(2CTB)になります。

 浅いアタックラインを引いていても、インサイドセンターが突破して、アウトサイドセンターがディフェンスラインの裏に顔出すのには少し時間がかかります。

 この顔を出すまでの時間をどうやって稼ぐかいろいろイメージしていました。図の様に横へ走ってカバーディフェンスとのコンタクトポイントをずらす、真直ぐ走ってタックルをされながら深い角度でパスをするなどです。

星名理論 概念図5

 そのイメージトレーニングの中のオプションの一つとして自分のマークを外して時点でスピードを殺し、アウトサイドセンターが顔を出せる状態になってからスピードを出して真直ぐ前に走り、タックルされる寸前に真横にパスを通すと言うのがありました。

 これはほぼ同じ様な場面で実際のゲームでも何度か実践したことがあります。

 ニュージーランドで歩いたのは、インターセプトをすることになったのでフォローが大分時間がかかると思ったので、スピードを殺すだけでは駄目で、歩かないと時間が稼げないと思った訳です。

 私の場合は多くのプレーが既にイメージトレーニングで経験したものです。