星名理論と岡理論 38 常識やしきたりを全てひっくり返す3

女性社員の海外出張

 私のする事は全て業界や会社の常識やしきたりをぶち壊していて問題になっていたみたいです。

 私の部下の女性が担当したのは旅行会社でした。その会社の得意なのは国内では北海道、海外ではヨーロッパで特に、ファッション関係の買い物ツアーが得意でした。ヨーロッパの有名なファッションメーカーなどの協賛で、工場を見学したり、ショップで買い物をするツアーです。

 彼女が担当して1年ほど経ったとき、その旅行会社から、ツアーのキャンセルが出たので、安くするから私に参加してくれと言ってきました。私はファッションには興味がないので、彼女に行かせることにしました。

 これも会社で大騒ぎです。50年近く前で、国内出張するのも稟議書がいる時代で、海外出張など、テレビ局の招待で役員か部長が順番で一度だけ褒賞の意味で行くぐらいだったのに、入社して1年ほどの女性が海外出張など、とんでもない、と言うことみたいです。
 
 こんな馬鹿げた議論は無視して、スポンサーから要望の業務出張で彼女の指名があったことにして、強引に押し切りました。

 彼女はバスケットボールの選手ですが、白人の2世かと思えるほど色が白く、ファッションにも興味があり、フェラガモの靴を履いて、グッチのバッグを持って、仕事では歩くのではなく、本当に、走り回っていました。
 物おじしない、体育会系の男のようなさっぱりした気性は、スポンサーの中でも評判でした。

 誰が考えても、無口で無愛想で、ファッションにも無関心な私より、世界の最先端のファッションの会社を訪問するのには、訪問先の商品を実際に普段身につけている若い美人の女性が行ったほうが良いことぐらいぐらい、わかりそうなものですが。

 中年の女性が多い中で、若い彼女は非常に目だったらしく、訪問先のファッションメーカーの日本の仕事まで取ってきました。
 
 星名先生、岡先生に教えてもらった、一般的な社会常識や、前提となっている慣習などは関係なしに、「今しておくべき事」を徹底することは、本当に大事な事だと、改めて感じました。

 パリ 凱旋門 プロジェクション マッピング
2019年12月31日 旅行中のフランスのテレビ画面です。
凱旋門の2