星名理論と岡理論 92  主体的思考による環境の最適化 9

ラグビーにおける主体的思考とは

 ラグビーをして行く中で、「性格は大雑把でいい加減な、良い言葉で言い直すと、寛容で柔軟性があり、他人の価値観と多様性を認める人間」になっていく確率が高くなります。

 でもこれらはラグビーのプレーとは関係ありません。私は「他人の価値観と多様性を認める」方が「主体的思考になる」よりは重要だと思いますが、せっかくラグビーをするのであれば、主体的な思考を持つ様になって欲しい、と思っています。

 主体的な思考になるのは比較的簡単です。星名先生の理論の極端に浅いアタックラインは主体的な思考になって初めてできるものですが、スタンドオフの選手のパスの能力とインサイドセンターの横に伸びるスピードと、二人のタイミングが取れて初めて実践できるもので、少し時間がかかると思います。

 主体的な思考に1日で変わったチームもあります。東京外語大学ラグビーの選手達は夏合宿で1日で主体的思考に変わりました。

 ほとんどの選手が大学に入ってからラグビーを始めて、体力も技術もラグビーの選手としては高いものではありませんでした。合宿の最初の練習試合では大敗しました。合宿の最終日にはその大敗しているチームに大勝している東工大との試合することになっていたのですが、「負けるのがわかっているのだから試合はしたくない」と言う声も聞かれました。

 しかし、試合になり、「全員が前に向かって走れば勝てる」と言う岡先生の理論を実践し、東工大に大勝しました。

 これは相手の動きとは全く関係なく「チーム全員が前に向かって走る」と言う主体的な思考でチーム全員が徹底された結果です。

 後日、当時監督だった千葉さんは「この合宿で選手たちは何かを掴んだみたいで、ラグビーの戦績もよく、人間として大きく成長したみたい」と感謝されました。

 この時の話はブログを始めてから一度書いたのですが、この頃はまだ主体的思考に私自身が気づいていなかったので、岡先生のラグビー理論を実践したから勝てたと思っていました。しかし「人間として大きく成長したみたい」の部分は岡先生の理論では説明ができません。多分、選手たちは知らず知らずのうちに主体的思考を体験していたのではと思います。

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大井さん ブログ Jpeg
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 下の方に私と千葉さんのことが書いてあります。
 私とは40年以上の付き合いになりますが、私は仲間の集まりでは無口でほとんど話すことはないが、一度だけ星名先生の理論を話したことがあると書かれています。