ルディとの最後の夜。

家族で一緒に寝たルディとの別れの夜

 日曜日の事なので病院にも連絡できないのでその日は何もせず、ルディと最後の夜を過ごす事にしました。リビングのソファを広げてベッドにして、はるみと私の間にルディとリナを寝かせ、通夜としました。本当は起きていなくてはならないのでしょうが、あまりの睡眠不足で眠たかったので、電気を消して眠ろうとしましたが、結局一睡も出来ませんでした。

 月曜日になり、朝からはるみは花を買いに行き、ルディの病院へ火葬の手配に行きました。ベアトリス先生が手配してくれたのですが、木曜日にならないと個人葬は出来ないとの事で、その間病院の霊安室(早く言えば冷蔵庫)で預かる事が出来ると言われましたが、想像しただけで冷たくて、暗くて、ルディの最後にはあまりにも可哀想で、結局はるみがインターネットで探したペットの火葬場(バルセロナのもっと先)がその日の午後4時半からなら可能と言う事で予約しました。

 火葬場に持って行くため、はるみがルディをリナのために買った籐のかごの様なベッドに、お気に入りだった木綿のタオルケットの上に寝かせ、花や好きだった玩具で飾ってやりました。

 火葬場はバルセロナの先、フランス寄りの山中でカーナビでは1時間ちょっとと言う事でしたが、念のため、2時頃には家を出ました。車に乗せ、ルディの遊んだシッチェスの街の中を少し走り、それから高速道路に乗り、火葬場に向かいました。
 なかなか分かりづらい所で、結局途中まで迎えに来てもらい、火葬場に着いたのは丁度4時半頃でした。

 火葬場は犬の預かり所や養鶏場も兼務している小さな所でしたが、火葬の機械はまだ新しく、全て自動でした。火葬の部屋に入ると、ガラスで仕切られた向こう側に花に囲まれて木綿のタオルケットにルディが横たわっていました。
 そしてスイッチを入れると鉄の板が動き出し、火葬炉の中にルディが入って行きました。そして火葬炉の扉が降りて閉まると同時に火がつけられ、ゴゥと言う炎の音がし始めました。

 外にでて火葬炉の煙突から煙が出るのをはるみとリナと一緒に見送りました。

 迎えに来てくれたおじさんの話によると、火葬は1000度近い高温で焼くので3キロ位のルディは一握りの位の灰になってしまう、そして遺灰を入れる箱にはルディの名前と生まれた年、死んだ年が刻まれるとの事でした。30−40分ほどしてゴゥと言う音は止まり、冷やすために更に20-30分ほど待たされました。

 火葬の部屋に入って行ったおじさんが透明のポリ袋に入れたルディの遺灰とオルゴールの様な小さな木の箱を持ってきました。
 
 高温で焼いたためルディの遺灰は白い、少し銀色に近い、綺麗な砂の様になっていました。小さな木の箱には金色のプレートにRUDY 1996-2013 と彫り込まれており、中に遺灰を入れると、封蠟してくれました。

 白い花に囲まれて眠っていたルディは小さなオルゴールの様な木の箱に入って我家に帰ってきました。しばらくして気づくとリナがルディを運んで行った籐のかごの様なベッドに寝ていました。
 リナのために買ったこの小さなベッドにはリナはいままでほとんど寝る事はなかったのですが。

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