星名理論と岡理論 66 受動的思考から主体的思考へ 8

フォローでもタックルポイントはアタックが決められる。 
 
 星名先生のアタックする側がタックルライン(ポイント)を自由に決められると言う考え方は私のイメージトレーニングのバリエーションを飛躍的に増加させました。
 星名先生は当時、京都大学も教えたり、仕事も非常にお忙しい時期のようで、私が星名先生のイメージ通り動けるようになると、私と直接話をされることは無くなりました。

 以後は私が勝手に色々なバリエーションをイメージトレーニングで作り上げたものです。

 例えば、アタックでボールがウイングまで回り、私がフォローをしてウイングからリターンパスを受ける時も、主体的な思考で、カバーディフェンスのタックルするポイントを自分の好きな場所に変えることもイメージできるようになりました。

 主体的思考はスクラムなどのセットされた状態だけでなく、ラックでもフォローでもディフェンスでも、あらゆる場面で適応できるからです。
 
 タックルポイントをアタックする側の自分が自由に決めることができると言うことは、間合も自分が自由に決めることが出来ると言うことであり、従って自分の走るスペースも自分で決められると言うことです。 
 
 例えば、ウイングの内側にフォローしてボールをもらう場合なども、ある程度のレベルのチームとの試合になると、ボールを持って走っている選手がいるとその次にボールを受けるであろう選手に対してももう既にカバーディフェンスのマークがいて、ボールを受けた瞬間にタックルをしようとタイミングを計って走ってきています。

 例えば、下の図の赤丸のポイントへ走り込んでボールをもらいたい場合、そこへ最初から走りこめば受けた瞬間にタックルされます。

星奈理論 概念図 3

 ボールを持っていない時に、下の図の青丸の位置に向かって走ることにより、相手の選手はスピードを落とさなければ私とぶつかり、ノーボールタックルとなるため、スピードを落として私がボールを受けるのを待とうとした瞬間に、こちらがスピードを上げ、赤丸のポジションに走りこむことにより、自分が走るスペースを十分に確保してボールをもらうことが出来、受けた瞬間にタックルをされることがなくなるので、次のプレーに備える時間が稼げることができます。
奈理論 概念図 4
 レベルが高くなればなるほど選手間の攻守の技量の差は少なくなりミスも少なくなるので、ほとんどのプレーは予測できることになり、ボールを持って走れる時間が短くなり、一人がボールを持って走る時間が長くなればなるほど防御側が次のパスへの対応を組みなおしてくると考えるべきです。